Japan Leather Award 2014 グランプリ
(エキゾチックレザー部門)
磯田秀文
(株式会社 太閤)
母に似あうバッグをデザインしました。私の母は着物も洋服もかわいらしく着こなす女性です。パイソンの模様の美しさ、パイソン革の軽さ、柔らかさを生かしながら、小柄でふんわりとした雰囲気の女性にさりげなく寄り添えるバッグになったと思います。バッグの形は、正面から少しずつふくらみを増して重なりが美しくみえるようにデザインしています。カジュアルな洋装はもちろん、木綿やウールの着物など普段着の着物にも合い素敵に見せてくれます。重量は410グラムと軽く作られています。パイソン革の軽さを感じていただけるはずです。
【各部門賞】
レディーズフットウェア部門
池田悠二 小島竜太 (カワノ株式会社)
日常のなにげない「空間」や「瞬間」に楽しみ・幸せ・感動を感じさせるような「煌き」をテーマに, つくりました。私は普段、単に靴をつくっているのではなく、お客様の(靴)にまつわる(幸せ)のストーリーをつくっていきたいと思いながら、仕事にはげんでいます。私たちが産み出す靴により、幸せを感じていただくことこそが、私たちのモノ創りのすべてです。
メンズフットウェア部門
林秀玲 (有限会社 フューチャー)
クロコダイルレザーは、革幅の制限、腑柄への拘り・硬さ等、裁断できる部位は限られてしまいます。大量の残革が発生してしまうため、残革をロックミシンで縫い合わせたパッチワークに仕上げるのが一般的です。今回は若い年齢層の男性をターゲットに、クロコダイルレザーをパッチワークにし、今年流行りのスリップオンにのせてみました。・パッチワーク定番の四角ではなく、より格好良く、若いエネルギーを感じさせる三角形を採用しました。・グレージング(ツヤあり)とマット(ツヤなし)、あえてニ種類違う仕上げのクロコダイルレザーを大胆に交互に使い、新鮮なコンビネーションを生み出しました。・無駄なく、残革を極力使おうとの思いから、パーツを非常に小さくしました。職人さんが一つ一つの三角形を丁寧に丁寧に一針一針を縫い、繋ぎ合わせました。・残革を使用することにより、エコでクロコダイルレザーのスリップオンをお手頃な値段で販売できる
レディーズバッグ部門
内山友徳 (MADOROMI)
コンセプトはEDGE(鋭利さ) 私の革のイメージは柔らかい、丸みがある物が一般的だと思いますが、そういう革のイメージを変えるような物を作りたいと思い2年かかってこの形になりました。 特徴 1、見た目からは想像できないくらい軽い。 2、固く重い物を入れても型くずれしない。 3、見た目より物が沢山入ります。 4、表面に面が沢山出来ているので光に当たると面が色んな角度で光が当たるので綺麗です。 革 子牛(カーフ)を使用しています。このバッグは切れ目の無い一枚革で出来ているのでカーフ一枚でバッグ一つしか作れません。贅沢に使っています。 是非お手に取って軽さ、質感などを確かめてみてください。
メンズバッグ部門
齋藤茂樹 (イケテイプロダクト株式会社)
背中で語れるイクメンバッグをコンセプトにデザインはペイズリー柄の革に、内装は迷彩柄を使用。敢えて柄×柄の組み合わせにし、モード感を演出した。また、子育てに必要なアイテムが収納できる容量を持たせたほか、パパが背負いながらもママがとっさに物の出し入れができるように背面の両サイドにファスナーポケットを付けた。また、両マチにあるホックを外すとバケツ型に変型し、リュック以外にトートとして使える。他にないオシャレなイクメンバッグにした。
ファッション雑貨部門
吉野真由 (ギャラリークレハ)
「警告セヨ」髑髏はデザインではなく、己の在り方そのものです。 ※少し長くなりますが、是非、ご一読下さい。 社会に生きる人間は、多かれ少なかれ嘘や妥協に染まらざるをえません。 相対する人と場面によって、様々な表情を駆使し、時には 本心を偽らなければならない、という瞬間もあるでしょう。 ですが、表情筋による繕いの奥にある髑髏は、ごまかしの効かない、その人の本質的な顔つきです。 そ して、本来は秘匿されるべき人間の本性である髑髏を、身につけるという行為は、とりもなおさず己の本性を肯定し、曝け出す、という主張なのです。例えば、 海賊達の残酷なまでに勇壮な生き様は、人間の根源にある欲望に忠実であったからこそ、なしえたものではないでしょうか。そして彼らは、彼らが自らの本性に 忠実に生きていることを、海賊旗に髑髏を印すことで、世界に向けて警告したのです。
生活雑貨部門
永井よしと (株式会社 ベルーリア)
使い手に寄り添い長いパートナーとなる、そんな財布を目指して作りました。 作品の特徴である、縫わないという方法は、日本古来の建築技法である「木組み」からヒントを得ました。革に切り込みなどを施し織り込むことで、縫わなくても型崩れしません。 また、縫い目をなくしたことで、手にしっくりとなじむ、優しい風合いに仕上がりました。 作品名の「つつむ」には、使う人の気持ちも優しく包み、一緒に時を刻んで欲しい、という想いを込めました。
日本エコレザー雑貨部門
加藤光也 (革工房アバッリ)
雨上がりの澄んだ青空に掛かる「虹」は、人々を幸せな気持ちにしてくれます。清らかな空気、緑豊かな大地、ecoな世界は人の心を豊かにしてくれます。そんな自然の恩恵に感謝するとともに、より自然と触れ合い、もっとecoに関心を持ってもらいたい。そんな想いをそら色エコレザー、虹色の持ち手、透明レインボーファスナーで表現してみました。外でのランチバッグにもオススメの「にじいろバニティ」でお出かけしませんか?
学生部門
木村和哉 (エスペランサ靴学院)
私は紳士靴が大好きで靴職人になる道を選びました、そんな私だからこそ紳士靴が好きな方と同じ目線に立って靴を作る事ができます。 そしてこの靴も紳士靴好きの方を強く意識して制作しました。 アッパーには存在感のあるスコッチグレインレザーを使用、この革の持ち味を最大限に生かすためデザインはシンプルにまとめています。 底付けはもちろんハンドソーンウェルト製法、底面の美しさ、ヒールの形状など細部までこだわりぬいて仕上げました。
ベストテーマ賞 ファッション雑貨部門
竹口真由美 (アトリエ naiade-chapeau)
古いフランス映画なのか、雑誌なのか、昔の旅行でなのか、年配の女性(おばあちゃん)が小雨の中、傘ではなくビニールのフードで歩いている姿がかわいかった記憶.フランスのリヨン郊外の帽子美術館のアトリエでベルナデットに話したところ、今(2003、4年当時)はもう誰もそんなものかぶってない、確かにチャーミングだったね.そして郊外の小さな町の雑貨屋さんで探し当て、プレゼントしてもらった CAPUCHE PLUIE(雨よけフード)、私のアトリエの引き出しで、ずっと出番を待っていました.ビニールをレザーに置き換えて、CAPUCHE FROIDE(寒さよけフード)を制作しました.ミシンステッチのプリーツはレザー(羊革)の素材感と相まってきれいです.芯地、裏地等を使用せずシンプルに、レザーの持ち味を活かせました.元のチャーミングなデザインが上手く再現出来てるでしょうか.
トレンド賞 メンズバッグ部門
山下めぐみ (株式会社 吉田)
豚革は国内で自給自足でき世界的に評価の高い革です。そんな日本が誇る革に日本でしか出来ない繊細な技術を加え、新たな革を開発。そして日本の職人によって作り上げたMADE IN JAPANの精神が宿る鞄にしました。きめ細やかなスエードの表面に、角度によって何層にも重ねたプリントのように見える繊細な迷彩柄のエンボスを施した革を活かすべく、アイテムは若い世代の人達にも革製品に親しみがわくようにリュックタイプにしました。豚革の柔らかさも最大限に引き出した作りになるように、口元はロールトップにして立体感が生まれる事で、革の表情もより豊かになっています。