この革との出逢いは、私が革手縫いを始めたころでした。初めは傷やスジが丸見えで、何て強情な革だろうと思っていましたが、付き合っているうちにとても素直で嘘のない姿が好きになりました。万人受けする革ではありませんが、手縫いの素朴さとの相性は抜群です。共に歩んできたこの革を使い、自社の長年定番品として愛されているシリーズをモチーフに製作しました。この革と共に手縫いをずっと続けたいという特別な思いの詰まった鞄です。