革には幅広い可能性があり、もっと日本独自の革文化が発展させられるのではないかと常々考えています。この小箱はそんな思いを込め、柿渋・胡粉・草木の染料といった日本で古くから使われている素材や手法を組み合わせて作りました。また、国内で自給可能な豚の革を主役に据え、片身替り・秋草といった古典的な模様をデザインに加えて、工芸品としての側面も持つ一方でカードや小物などを入れて日常的に使うことができるような小箱に仕上げました。模様の凹凸の手触り感も使う楽しみの一つです。