子供の頃、父の書斎にワクワクした。万年筆、懐中時計、西洋地図…。なかでも革鞄には不思議な魅力を感じ、何時間でも眺めていたものだ。 その後、特に革とは縁のない生活を送ってきたが、40歳を超えたある日、ふとあの書斎での記憶が蘇り、次第に自ら革鞄を作る様になって行った。今年出会った、磨くほどに艶を増すロロマ革に触発され、あの父の書斎に溢れていたアンティーク感を存分に放つ鞄を作りたいと考えた。一針一針、一刃一刃、想いを込めて2014年秋、”antique”ここに完成。