Japan Leather Award 2016 グランプリ
(レディースバッグ部門)
宮瀬 彩加
(個人)
私は女性のライフスタイルに着目したバックを提案します。生活する環境などにより、ひとそれぞれのライフスタイルがあると思いますが、どんな女性でも心の奥に潜めているのは「向上心」ではないでしょうか?趣味や仕事、毎日の生活時間を有効に使える知恵など、今日よりも明日、明日よりもその先の未来を豊かな気持ちで送れるライフスタイルを求めていると思います。そんな中、どの女性にも共通するのが”化粧(メイクアップ)”だと考えます。メイクをするとしないでは一日のモチベーションが違ったり、メイクをすると自分に自信が生まれる人も少なくないでしょう。いつでも女性は綺麗であってほしい。そんな願いから自信につなげてくれるメイク道具が邪魔にならないように、そしてそれを取り出す時にまたドキドキできるように機能性にもこだわりました。
いつまでも美しく、かつ女性らしく品のあるものを。を追求しアンティーク調にデザインしました。
【各部門賞】
レディースフットウェア部門
倉田 彩加 (神戸レザークロス株式会社)
シンプルなスムースレザーをベースにUVプリント加工を施すことで熱帯雨林に生息する動植物をアッパー全体で再現したハイヒールパンプス。目にも鮮やかな熱帯雨林に生息する動植物がシンプルなプレーンパンプスの中に凝縮された1足。
ハイヒール部分は植物にとまる蝶を狙う蛇がキラリと光り、ヒールに巻きつく姿はまさに野生のサバイバル環境。インソールとアウトソールにはメタリックカラーで灼熱の模様を表現。
メンズフットウェア部門
吉田 遼平 (個人)
ハープ(西洋琴)をモチーフにして作りました。古代ギリシャの壺絵や壁画を全体的なイメージとして、ゴールドのパテントレザーとブラックのシュリンクレザーを用い表現しました。靴底も全て革素材を使用しており、漉き機・ミシン以外は全てハンドメイドで仕上げました。
メンズバッグ部門
小林 剛 (株式会社 吉田)
個人的に「デザイン=機能」という考えを持っており、今回の募集要項である「素材×デザイン×ファッション=∞」のデザインを機能に置き換えて企画しました。タッチ感のよいソフトレザーにネオプレーンを張り合わせ他にはないボリューム感とタッチ感を与え、荷物の種類に問わず背負った際のシルエットを保ちます。使わない時はシワにならずフラットに保管できるので場所をとりません。バッグ自体は独特な形ですが、アメリカの40’sヴィンテージアウトドアバッグをモチーフにアレンジをしておりベーシックなアイテムですのでファッション好きの方にもお勧めです。両サイドにファスナーを取り付け一方はメインの収納へのアクセス、もう一方はお財布やスマートフォンなどを収納できるポケットとし使い勝手の面でも機能をプラスしました。付属革には使うたびに味わいが増すロウ引きタイプの革で印象を引き締め、長く使うことで愛着が沸くバッグになっています。
ファッション雑貨部門
石橋 善彦 (有限会社 オベリスク)
低価格・シンプルなデザインが氾濫している昨今。情報に流され個性が著しく欠落したファッション。でも、オーダーメイドを生業としていると、服に価値を見いだせる人、人と違う拘りのある服を着ることの意味を知る人。そういった人達が今も確かに存在していることを、はっきりと認識させてくれます。今回のライダースは、今まで自分の培ってきたセンス・技術・バランス感覚を詰め込んだものです。
見て、触って、着用すれば、服・革の良さを再発見し、感動していただける方は多いはずです。ムラのあるダークブラウン・ハードなシボ・アジのでやすい丘染め・高級感漂う馬革。体型をより良く見せるハイネックで細身の縦長シルエット。ハンドメイド感溢れるクロスモチーフ。マニアックな人も唸らせる金具使い。視覚的にも新しい、動きやすさを追究した背中のクロスアクションプリーツ。究極に贅沢なモノ作りを目指したライダース。それが、この「クルセイダー」
生活雑貨部門
野沢 浩道 (個人)
ツーピース構造のお財布バッグです。荷物が増えた時はセパレートしてアウターを物入れに。スマホポケットを表に配しました。独特の質感のロロマを「土」にイメージし、マチを砂、ストライプを風・水の流れ、パイソンを窓で切り取られた景色に見立て、藍染めの革・朱色の漆で彩り、自分なりに『NIPPON』を表現しました。和の“美”を意識して“内”は対比的に。アイコニックな3本の持ち手となるのがデザインのポイントです。
学生部門
伊藤 依莉亜 (杉野服飾大学)
コンセプトは暮らしの中に溶け込むバッグです。
バッグというと外で使用することがほとんどで、家の中で使うということはあまり無いと思います。それではせっかくのバッグがもったいないなと思いました。
なので家の中でも使用できるデザインにし、常に私たちの暮らしの中に溶け込む、存在感のあるバッグを作りました。
家の中での使用方法は、バッグを開けると自立するのでちょっとしたインテリア家具のように使っていただけます。
素材は革と木材を使用しています。使用時間が長いバッグになるため、落ち着きがあり飽きのこない色味にしました。
形はシュプレマティズムの絵画を参考に長方形と円で構成しています。
【ゲスト審査員賞】
メンズバッグ部門
辻野 孝太郎 (株式会社クロスライン)
幕末、兵隊の携行品を収納するための装備品として、オランダからもたらされた背嚢をランセルといい、現代のランドセルの前景となる。通学鞄として全国に使用され、今や日本の文化となり、海外からも注目をあび、子供だけではなく大人からの要望も増えてきた。冠には一枚革、表面には味わいある皮革を使い、背にはオレンジをあしらい女性にも持ちやすい大人ランドセルを提案。子供がランドセルを担ぎ勉学に励み、大人はこの鞄と共に現代社会に向き合ツールとなるだろう。
【2016年 入賞者】
●レディースフットウェア部門
<2位> 吉田 真也 (靴工房 ハンザワ)
<3位> 古屋 佑磨 (UMAFULLER)
●メンズフットウェア部門
<2位> 大平 麻理恵 (個人)
<3位> 小林 幸司 (大塚製靴株式会社)
●レディースバッグ部門
<2位> 石黒 秀一郎 (個人)
<3位> 蓬田 愛里沙 (有限会社 松岡商店)
●メンズバッグ部門
<2位> 中村 忠裕 (有限会社ジェイクラフトマン)
<3位> 矢内 徹 (株式会社吉田)
●ファッション雑貨部門
<2位> 櫻井 和重 (株式会社アルテック・ラボ)
<3位> 鈴木 賢 (株式会社アルテック・ラボ)
●生活雑貨部門
<2位> 宇津木 仁 (株式会社 猪瀬)
<3位> 高田 佳治 (個人)
●学生部門
<2位> 茂木 陸 (杉野服飾大学)
<3位> 直井 愛実 (杉野服飾大学)