靴のタイプとして古くからあるものに「ホワイトバックス」があります。一部誤解があるようで「バックス」は裏革ではなく「鹿革」を意味しています(多くは起毛したもの)。一方で長野県では増えすぎた鹿を駆除しており、鹿革の有効利用を模索しています。
歴史あるホワイトバックス(白い鹿革靴、近年では山羊や牛で代用)を信州の野山を走りまわる鹿の皮(革)で復活させたのがこの作品。パーツひとつひとつに丁寧にヤスリをかけ、伸びやすい鹿革の弱点を補うべく裏地に1.3mm厚の牛革を(履き口等は重く見えないよう0.7mmに漉いて)使用して強度を確保。中敷にもしなやかな鹿革を使用しています。