“野生の鹿の革を熱量を留めて用いる” 先に革があって、製作が始まった作品です 青白い鹿革を初めて見た時に、中世の絵画やタペストリーの中の修道士たちの僧服のように感じました また、革全体に走る無数の細かい傷跡に気付き、野生の鹿の生きた証を傍に感じました それらを想ううちに、今日まで熱量を留める独特な中世後期の教会建築の狭間飾りのフランボワイヤン様式(火焔様式)の波状曲線が革の表面を這い上がる情景が浮かび、鹿の“生きた”熱量を着用者の“生きていく”明日に連れ立つ事を目指して製作しました