応募作品

作品コンセプト

ユクコロカムイ、アイヌ文化において鹿を司る神が、人々の祈りに応じて鹿を地上に放つと考えられてきました。
この革は、その神の名を冠した革です。
今回私の作品に挙げたテーマは、一枚の皮が持つ生命のストーリーです。
このユクコロカムイには、獲物を仕留めた時に生じる弾丸の跡がはっきりと残っています。
それは一頭の鹿の生命が、その時終わったというストーリーでありリアリティーでもあります。
痕跡をデザインの一部として生かし、野生の鹿の革が持つワイルドさとその内側にあるしなやかさを作品の主とするべく、デザインにおいては極力抑え、ミニマルな作品に仕上げました。ハートに抜かれている部分は、弾丸が貫通した跡です。
我々は限りある資源とどのように向き合い活用していくのか、そして日本の伝統文化を未来に継承し資源を守っていくためには、私自身ももっと文化に触れ、学ばなければいけないと考える今日この頃です。