No.0428

フットウェア部門

ベストプロダクト

三上 良弘

株式会社ネーカーズ

手で考える靴 ― 織部
作るために創った靴、手で考えて
歪みを美とする、織部に学ぶ

靴のサイズ(cm):

26

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作品コンセプト

この靴は、これからも靴を作り続けるために創った靴です。

手で考える、という感覚があります。時として道具までが手のように、革の厚みや繊維の向きを指先へ返してくる。手が作りながら材料と呼応し、思考が頭ではなく手のほうで進んでいく。

自分の中にある「靴」という枠を広げようと模索していた時期に、寺で一碗の茶碗に出会いました。織部焼。整った美の常識を破り、歪みや崩れをそのまま新しい美として打ち出した器です。

靴は左右対称につくるもの——その常識に、歪みの美を持ち込みました。緑釉のコバ、鉄絵の文様、そして揃わないことの豊かさ。

この一足を、これから十年、新しい靴の美しさを探す旅の出発点にします。

ブランドとして大切にしている価値観・ストーリー
京都で二十年、革と向き合ってきました。掲げているのは「人の役に立つものを創り、仕事を通じて関わるすべての人の幸せを願う」ということです。車椅子で過ごす方のための靴づくりも、西陣織の職人との協働も、その延長にあります。
手で考える、という言葉を大切にしています。頭で描いた図面どおりに作るのではなく、革の反応を指先で受け取りながら形を決めていく。だから同じものは二つとできません。京都という土地には、そうして手で更新されてきた技が幾層も積もっています。その層に、靴という一枚を重ねたいと思っています。