下駄を横から見た姿に鳥居を重ねたことから着想を得た、神社を表現した作品です。
台座は革を積み重ね、その断面に木目を思わせる表情を生み出しました。
鼻緒は革を注連縄の編み方で結い、「本坪鈴」をイメージした鈴を「先坪」に添えました。鈴から伸びる「鈴緒」と下駄の「鼻緒」。神社と履き物を結ぶ言葉たちが、ひとつに重なってデザインを膨らませてくれました。
鼻緒を裏側で留める部分には神鳴(カミナリ)の意匠を施しています。また、実用性にも配慮し、歯の底面は交換可能にしました。飾り釘で桜と雲を描き、見えない裏側にも日本の風景と祈りを宿します。
歩くたび、革に込めた祈りが響く。そんな履き物を目指しました。
ブランドとして大切にしている価値観・ストーリー
革を素材として、文化や思想、自然や工芸の記憶を結ぶ。伝統をそのまま再現するのではなく、革の持つ質感や時間性を生かし、現代の造形へと再構築する。靴や装身具、アートなど既存のカテゴリーにとらわれず、素材と技術、思想を一つのカタチにする。使うほどに表情を変え、時とともに完成へ近づいていくモノ。革の可能性を拡張し、日常の中に新しい価値と心を動かす瞬間を生み出したい。