学生部門
サイズ(cm):
H9 × W17.3 × D17.3
食べ物を盛ることができない「革の器」は無用であるが、空の空間そのものを主役とした。半球状の内面には鏡面仕上げを施し、歪んだ朧げな像しか映さないが半球状凹面鏡のような視覚効果を持たせた。上から見た形には皆既日食を重ね、様々な対比を想起させるきっかけとした。肉は消えることで身体になる、皮は残ることで道具になる。食べた肉は、もう見ることができない。自分の身体の一部になってしまった。一方、革は目の前に残っている。だから革は「消えたものを思い出すための物質」。未来の革製品とは便利な道具ではなく、人間が忘れたくないものを保存する道具であり、自分の記憶や価値観を呼び起こしてくれるから所有するのかもしれない。