履いてみると足先は羊や馬のつま先を思わせたり、日本伝統の履物、足袋みたいだという声も。その「かっこかわいい」見た目はもちろん、注目して欲しいのはその機能。下駄やビーチサンダルのようなつま先がカバーされていない履物は、長く歩くことには向かない。疲れてしまうからである。このデザイン、鼻緒を挟んで履く仕様は同じだが、足先がカバーされているため疲れにくい。
サンダルにはほぼ使われないスエードをメインに、羽根やビーズを配したデザインはフォークロアスタイルにフィットする。このスエード素材は墨田区のタンナーが研究を重ねて作り上げた「洗える豚革」で、驚くべきことに‘洗う’ことができるサンダルなのである。
革を身に着ける時に、まず考えるのが「水」においての対策である。雨が降ったら使いづらい、汚れてしまったら洗えない。
近年、防水加工された革製品も増加する中、日本の革産業の技術が「洗えるピッグスエード」を生み出した。バッグなどの小物に導入されつつあるこの革を、今回はサンダルのような履物に使うことで新たな活用方法が見出せた。スエード地を生かしたフォークロア調のサンダルを誰も洗えるとは思わないだろう。