陶磁器、ガラス、鉄、木、竹、これまで様々な素材で急須が作られてきました。
・高い保温性による対流効果
・薄く削り込んでも割れない注ぎ口
・振っても折れない強靭な持手
・陶磁器やガラスよりも圧倒的な軽さ
・落としても割れ難い強靭性
革で急須を作ると聞けば奇をてらったように感じるかもしれませんが、これら全ての要素を満たす素材は革しかありません。
床革のみを駆使して作られるこの急須。
土台各部には適宜漉かれた床革、各部の補強と表面の造形には新技法「盛革」を用いて床革の削り屑を活用しています。
急須に求められる注ぎ口の水切れの良さや、持ち手の角度も徹底追究。
世界初の革の急須つくりました。
革の可能性を追究する者にしかできない物があります。
いまある素材を活用しきるだけではなく、それでこそ発現する美がこの作品にはあります。
床革をあらゆる角度から見つめることで新しい技法が生まれ、これまでに無かった物や新しいジャンルで革を魅せる事ができます。
床革の真価を知り活用すれば副産物の域を越えると体感しています。
削り屑まで素材になる床革。
もはや廃棄する部分は無くなりました。