応募作品

国田 來愛

兵庫県立姫路工業高等学校

部門
学生
作品名
shell of memories
キャプション
蝉の短くも熱い一生を象徴する鞄
鞄の中は大切なもので一杯する。
サイズ(cm)
H30 × W30 × D43
紹介サイト
 

作品コンセプト

夏の終わり、ひっくり返って空を見上げている命尽きる寸前のセミを見た。セミは静かに空を見ながら何を思っているのだろう。やりつくした満足感なのか、もっと生きたかったという悲しい思いなのか。私がその時を迎えるとき何を思っているだろう。思いを込めて生きてきた充実感なのか、後悔が残る切ない思いなのか。私が最期の時に感じることは「今、この瞬間をどう生きるか」の連続が決める。土の中からこの世に出て来たその瞬間から、いっぱい大切なものをこの鞄の中に入れて生きて行きたい。セミの抜け殻はそれを私に思い出させてくれる。その抜け殻を生命が宿っていた革を材料に、大切なものでいっぱいにする鞄を作ることにした。

日本の皮革素材を活用した新しい価値の創造、テーマ性、時代性について

子供の頃、蝉の抜け殻を自分の体に付けて遊んでいた。蝉は土から出て一週間で死んでしまうと知った時はショックだった。人は長く生きられて良かったと思ったが、無駄な事を重ねて時間を浪費する私たちが、全力で命を燃やす一週間を生きる蝉を見た時、どちらが良いのかと考えてしまう。次の時代を創る子供たちは仮想現実の中で何度でも命をリセットしながら時間を過ごしている。今を生きる私達に何か気づきがある革製品を作りたい。

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