撫でだるまは身近な存在である家族、友人、そして自身の幸せを願う「人の心の奥底にある大切なぬくもり」をテーマにデザインしました。
元来の達磨は大願成就の意味合いが強いですが、誠実さや幸運を象徴する牛と豚の革を用いることで、私たちにとって”当たり前にあるべき幸せ”を願う願掛け達磨として昇華させました。
主素材には本ヌメ革を用いており、タンニン革特有の経年変化が起こります。
私たちの成長に合わせ革達磨も日々、変化し続けます。個々人が撫でた場所ほど強く変化するため、それが思い出として刻まれ、また常に自分の心の根にある信念や想いに気付けるきっかけとなりますようにと願いを込めて。
日本の革に日々向き合う中で、無骨や粗々しいという表現が良く合うなと感じています。原皮の状態含めて、良くも悪くも粗野なのです。その荒々しさを消そう隠そうとせずにそれが「日本の美」であると認識して向き合い革を創る。その革でモノづくりのストーリーを描き、作品に落とし込み、消費者に手に取って体感し続けてもらうルーティンを生み出すことが将来の日本の革にとって大切なことではないかと感じています。