外界から体を守る皮膚と血管を通り体内を巡る鉄。加工の幅が多岐に渡り時間の経過と共に表情を変える等、実は繋がりや共通点の多い革と鉄という2つのモチーフを融合させ、昔ながらの製法でダレスバッグに昇華させた。青黒く光る表情は革に含まれるタンニンを鉄と反応させた鉄媒染によるもので、トロッコの架台を思わせる重厚感は槌目と型押し加工で再現。内装は1940年代の鉱夫の作業着や当時のデニムファッションを再現。シンチバックを模した背胴のベルトはキャリーケースに取り付けるためのもの。体内で鉄が酸素を運ぶように、車や列車という鉄が世界中に物資を運ぶように、この鞄はあなたの荷物を運び、鉄のルーツを辿る旅へと誘う。
高級紳士鞄としてサラリーマンに愛されたダレスバッグは、時代と共にその影を薄めています。リーズナブルな鞄の増加と職人の減少が、その背景にあります。しかし、ビジネス向けの枠を超え、新たな装いを纏ったダレスバッグがここに。昔ながらの高度な技術を詰め込み、多くの人にその魅力を伝えるために、この鞄は生まれました。革と鉄が織り成す新たな美と共に、一本作りの鞄の素晴らしさを感じて下さい。