革を薄く加工する「漉き」。その技術は、後の工程を容易にし、折り返しの強度を保ち、シルエットを美しく収めるため。そこには職人たちの知恵とこだわりが詰まっています。今回、その「漉き」の技術をデザインに取り入れたトートバッグを作製しました。マチ部分に溝漉き加工を施し、ダイヤ状に折れ曲がるように設計。硬い芯を使わず、革本来の自然な柔らかさとエイジングを楽しめる、新しいトートバッグが誕生しました。先代の技術を継承しつつも、現代のスタイリッシュさを持つこのバッグは、革の魅力を再発見させてくれます。手仕事の温もりと革の持つ可能性を感じていただけたら幸いです。
革製品製作において「漉き」は本来、機能や強度アップに使われる事が多い技術です。しかし、今回のトートバッグではマチ部分にデザインとしての「漉き」を取り入れ、新たな可能性を模索しました。異なるデザインへの溝漉きも可能で、治具を使えば数秒で加工が可能です。この技術は革製品の新たな可能性を秘めていると考えています。