Japan Leather Award 2015 グランプリ
(日本エコレザー部門)
二本 真
(三井造船株式会社)
日本の伝統革素材によるJapan Militaryを提案します。使用した革は坂本商店の「姫路黒桟革・極KIWAMI」。黒毛和牛の原皮を姫路伝統の白鞣しにて仕上げ、本漆を輪島塗のように、シボに何度も塗り重ねることで植え付けた日本古来の革です。埃や雨にもビクともせず時がたつ程に輝きが冴えることから、侍大将の甲冑に使用され、受け継がれてきました。そんな由来から1つの思いをミリタリーブーツに込めました。「欧州皮革との戦場を乗り越え輝き、やがて世界を席巻していくJapan Leather」大好きな黒桟革がその先駆けとなり、後に続く革が現れると信じて。
【各部門賞】
レディースフットウェア部門
田川 康治 (株式会社 リーガルコーポレーション)
「流麗」~よどみがなく美しいさま~ デザインと足入れに最も重要な木型にこだわり、女性の柔らかく流れるような美しい足の形状を表現しました。デザインは木型のラインを美しく見せる為ワンピース(一枚革)を採用し、流れるラインが途切れないように裏もハギ(切れ込み)をなくしスベリの部分にもステッチがかからない様、全てが曲線で繋がるように作り込んでいます。
メンズフットウェア部門
大蔵 剛 (大塚製靴株式会社)
日本の革と日本の伝統工芸である漆を融合させた靴です。お洒落な礼装にも合う革の素材、且つ漆器の光沢感にインスピレーションを受けパテントレザー(エナメル革)を使用しました。靴の筒の部分は漆職人さんに琥珀色(タメ色)の漆を塗って頂きさらに、金箔を散りばめて頂きました。漆は革と同じように、経年変化していくものです。琥珀色の漆が徐々に透明に近づき綺麗な金箔が浮かび上がります。
レディースバッグ部門
染谷 昌宏 (染谷商店)
「やわらかな背負い心地のリュックサック」です。 革を縫い合わせた縁が身体に当たることがないよう設計しました。 半分に折り合わせたショルダーベルトは、使用者の身体に馴染むことで緩やかに湾曲していきます。また、無段階の長さ調節が可能なため、自分だけのちょうどよい背負い心地を見つけることができます。(www.someya-shouten.jp)
メンズバッグ部門
田中 秀明 (カバン田中)
-形が生まれる時- 日々の生活に追われていると、そのローテーションを守る事自体が習慣になり、知らず知らずの内に新しい事への挑戦をためらったり、変化を嫌ったりしがちです。 希望に満ちた新芽の春。様々な花が咲き誇る夏。 枯葉と別れ蓄える秋。そして春を待つ白い冬。 自然は刻々と変化を続けています。明日の自分を経験した人はいません。今、その一歩を踏み出せば、新しい自分の形(スタイル)に出会えると信じています。毎日がチャンスです。スキのない時代に現在進行形(冬から春へ) あなたに寄りそうing BAG
ファッション雑貨部門
櫻井 和重 (株式会社 アルテック・ラボ)
デザインや皮革の質にとどまらず、自社工場にて施せ得るテクニカルな技・技術を製品に反映させる。 身頃には、日本古来より親しまれてきた革であり、柔らかくしなやかさを持つ鹿革を厳選。 メンズブルゾンの袖とすそに部分的に、ウール生地を柄にニードルパンチを施し、鹿革と一体化させました。この柄模様も生地をレーザーカットしたもので、重ね合わせたところでは3枚になっている箇所も有り、その凹凸感もまた表現。 着て、しなやか。柄手法で、ユニーク。手触りでも、テクニカルを感じてもらう。
生活雑貨部門
村瀨 靖人 (株式会社村瀬鞄行)
ラグジュアリーで繊細な表現はもちろん、手のひらに触れたときの1枚革にはない革の柔らかな質感を生かすイントレチャート技法をランドセルに採用しました。刺繍や金具などでデザインをあしらうのではなくイントレチャートにより天然素材の革の上質感を表現しました。 また、日常で使用するランドセルとしての機能も妥協することなく実用性も重視し作成いたしました。取り外し式の付属のキーチェーンも気分で付けたり外したりと、表情をお楽しみください。
エキゾチックレザー部門
濱田 剛 (Goh Hamada)
Inner Grow エイ革で一枚革のタッセルシューズをつくりました。 デザインは極力、エイ革の独特な柄を活かし、つま先部分のスターマークが靴でいうメダリオン(穴飾り)をイメージしています。 靴底は全て革素材、木釘などを使っていて、手作業でつくり上げています。
学生部門
寺村 シモン (杉野服飾大学)
コンセプトは、形態の融合です。私服で働く多くのビジネスマンは、大半が私服に合わない機能重視のビジネスバッグ、または機能的に向かない見た目重視のカジュアルなトートバッグを持ち違和感、不便さを感じさせます。そこで私はアイテムの収納、見易さに特化したビジネスバッグの内装をベースに、ビジネスシーンにおけるカジュアルな服とのコーディネートを可能にするビジカジバッグを提案します。さらに、ビジネスにカジュアルの要素が入ることにより、従来のものより使い勝手の良さをプラスすることに成功しました。
ゲスト審査員賞 レディースフットウェア部門
関口 陽子 (SEYO)
コンセプトは「色を楽しみ、履く」靴です。 ファッションアイテムにおいて、形や素材やサイズ感など大事な要素はいろいろありますが、とりわけ「色」の持つ力は偉大だと考えています。 オイルが染み込んでしっとりとした質感のヌメ革で本体を作り、形が出来上がった後に色を入れています。無彩色のヌメ革を使用して作ることで、履く人が後から好きな色を選んで彩色できるようにしました。形は全身のバランスがきれいに見えるショート丈のブーツにし、後ろにゴムをいれて気軽にすっと履けるようにしています。 履く人の好みに合わせて色を染め、革の経年変化によって自分だけの色味になっていく楽しみのある靴を目指しました。