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「革のつなぎ目を積極的にデザイン化すること」が、最も意識しているコンセプトです。革のつなぎ目をデザイン化する手法として「交差つなぎ」を採用しています。「交差つなぎ」の主な利点は以下の3点です。
(1)革のつなぎ目をほぼフラットにつなぐことができる。
(2)「交差つなぎ」の数学的理論体系の構築により、デザインの自由度が増し、造形の多様性が発揮される。
(3)小面積の「革ハギレ」を有効に使用できる。
いわゆる「革ハギレ」は「食品ロス」ならぬ「革ロス」と言ってもいいでしょう。交差つなぎによる革作品はこのハギレを積極的に使用する「もったいない精神」が前提にあります。多種多様な革のハギレを「交差つなぎ」による3次元的造形手法でつなぐことで、使い道がないと思われたハギレがその造形の欠かせない一部となります。牛の首のしわだらけの革も「景色」として自己主張を始めます。そこには悪い革の概念はありません。