石山 仁
株式会社石山皮革製作所
サイズ(cm):
H19 × W13.5 × D11
「ベルトにサス、片手でトル」を実現する、特許構造“SASTORU”を搭載した本革腰袋です。
ベルトに通さずに使用できるため、車に乗る時やちょっとした休憩時にもさっと外すことができ脱着時のストレスを大幅に軽減します。
SASTORU構造は本製品に限らず、道具差しやケース類・袋物などベルトに取り付ける物なら幅広い用途に応用できる汎用性を備えており、革製品の新たな機能価値を提案します。
特許第7599633号
■ 開発のきっかけ
私は長年、建築の現場で仕事をしています。
腰袋は毎日使う必須道具ですが、過酷な環境ですぐに傷み、買い替えるたびに理想のものを探してきました。
しかし、どこを探しても「これだ」と思える製品には出会えませんでした。
そんな中、趣味で始めたレザークラフトを通じて
「無いなら、自分で作ればいい」と気づき、理想の腰袋づくりをスタートしました。
■ 求めていた理想とは
すぐに着脱できること
大きすぎず、小さすぎないサイズ感
作業中に外れたり揺れたりしない安定性
しかし、市販品は
・ベルトループ型(着脱が面倒)
・カラビナ型(揺れて不安定)
の二択しかなく、どれも理想とは異なりました。
■ 試行錯誤から生まれた構造
何度も試作と実験を重ねた末、たどり着いたのがこの構造です。
✅ ベルトに差し込むだけで装着可能
✅ 差し込み部を長くし、重心に近い位置を磁石で固定
✅ 外すときは、上に引くだけでスムーズに取り外せる
現場で5〜6年間実際に使用し、耐久性と使い勝手は自分自身で実証済みです。
同僚からも「それ欲しい」と言ってもらえるようになり、販売を意識するようになりました。
■ 特許取得と未来へ
構造的にも他にないことがわかり、調べた結果「これは特許になる」と確信。
弁理士の先生の力を借り、無事に特許権を取得しました。
さらに商標「SASTORU」も申請済みです。
■ 今後の展望
従来の腰袋には、
ベルトループ型
カラビナ型
の2つしか選択肢がありませんでした。
そこに、
3. SASTORU型
という新しい選択肢を加えたいと思っています。
「無いなら作ればいい」——
この想いから生まれた製品が、現場の快適さと効率を変えるきっかけになることを願っています。
特許第7599633号