谷藤 嵩
個人
サイズ(cm):
H27 × W9 × D9
蛇腹の山と谷に針金を仕込んだこの花器には可塑性があり、花の雰囲気に合うように手捻りで自在に成形して使います。
人の手では歪みや皺ができてしまい形を完全に整えることはできなく、陶器やガラスのように固形化することもできません。故にこの器は常に(仮)の状態であり、不完全さと未規定性をはらんでいます。
しかし主役である花に寄り添うことで、一歩引いて見ると細部よりも全体として調和したひとつの景色を作り出していることに気が付きます。
薄革ならではの自由度を「寛容さ」と読み解き、完全を求めず完成を急がず、じっくりと「自然-もの-ひと」のより良い関係性を探求できるプロダクトを目指しました。