作品コンセプト

「自然は直線を嫌う」18世紀のイギリスの庭園学にこんな言葉がある。自然界に直線的なものはほとんど存在しない。それは直線は人が創り出したものだからだ。現在、近代社会には直線があふれている。日用品から建築においてあらゆるものに直線的なデザインが取り入れられている。これは、曲線に比べ、直線は扱いやすいからである。しかし本来直線というのは、自然界にはほとんど存在しないもの。不自然なものだ。不自然なものを使っていて、落ち着くはずがない。人の身体も曲線。それならばバッグも曲線であるべきだ。曲線こそが、人の体に馴染み、安らぎを与えてくれる。曲線にこだわって、シルエットも、切り替えもカーブになっている。横から見ると下部よりも上部のほうが高さがつくようになっている。ウエストベルトの部分は、マジックテープで自由に調節できる仕様である。リュックを背負うというより、人の身体を包んで一体化するようなイメージで制作。