革の破壊と再生を表したもの。
鞣され、製品になり、製作過程の残骸、製品として使えない革の行方、革の可能性。
余った革や金具を最後の一滴までかき集め、ラップスカートへ生まれ変わりました。
特別ラップスカートととして定義している訳ではなく、それが「何か」である事が重要ではない。
細かな製品としても使えないような革、四肢の周りなど繊維の荒い部位、どうしようもないくらい中途半端な革だが、その複雑さがこれまでに無かったような発想や表現を創造させる。
細かな革はレースにし編み込み、繊維の粗い四肢はキャンバスの土台。
経年変化の先、朽ちていく様、繊維の荒さを活かした複雑な収縮、製品染め、錆加工。
それが「何か」である必要は無く、何を感じるか。
どんなに細かい革でも向き合うこと。
革の性質を理解し、向き合うことで、無駄なものはひとつもないと教えてくれた。
SDGsを掲げる訳でもなく、革そのものが、「それ」であり、古来から循環している。
今回製作したこちらは製品としては使えないような残骸などから製作。
型紙も無ければ定義するものも無い。
革という素材がもたらす偶然を大切にしている。