鬼滅の刃・日輪刀を作例として、ベルトループを固定せずフリーとすることによるNATO型革ベルトの新しい魅力を紹介する。宇髄天元の刀は二刀流で、しかも出刃包丁様のため、時計のラグ幅に依存される、というNATO型の制約をクリアするのが困難であった。そこでダイエットしたら、刀1本はスリムとなったが、もう1本はミニチュア化してしまった、ということにした(笑、添付説明図のFig.2)。ベルト着用において、ミニチュアと鍔の存在が邪魔ならば平坦なベルトループに交換可能である(Fig.3)。すなわちベルトループを固定しないことがスタイルフリーという新しい展開をもたらしたのである。なお製作は本革素材にこだわった。
腕時計ベルトは未だ視て楽しむという要素に欠けているように思える。時計の脇役であらねばならないと思われているのだろうか。NATO(引き通し)型の良さはネクタイを代えるがごとく、簡便に交換して楽しめることにある。NATO型で固定されていたベルトループをフリーとする発想が、アーティスティックでスタイルフリーな空間を生み出し(プロローグとしての今出品作参照)、ユニークな製品開発へと発展していくことを願う。