はじめに真っ白な鹿革を革用の染料で絞り染めして、色鮮やかで不規則な模様をもつ染め革を作り出しました。次にその染め革の魅力を遺憾無く伝えられるモチーフを考え、海の宝石とも呼ばれるウミウシを選びました。想像通り、染料の色彩と絞り染めの思いがけない模様、鹿革の柔らかい質感は、このモチーフにぴったりでした。
基本の形態はリアルさを追求し、口の部分は革をつまんで細工をしたり、上下の革をずらして腹足を表現しています。ただウミウシそのものであるだけでは面白みに欠けるとも考え、二次鰓は革でできる様々な技法を用いてオリジナルのかたちにしています。