ある国のドキュメンタリーで貧しい地域に住む人達が財布を持っていないことを知った。私達にとっては当たり前の財布も人によっては贅沢品だ。そこで、誰でも簡単に作れる財布をデザインした。縫いも金具も必要ない。長方形の革を折るだけで、文字通り誰でも作ることができる。革はハギレをつなぎ合わせたって良い。世の中の余っているハギレをつなぎ合わせて財布を持っていない方に寄付する、こんなことを夢見ている。
従来のものづくりは独自の技術やオリジナリティ溢れる見た目など、他の誰も真似できないものづくりを目指していた。本作品はオリジナルの”もの”を提供するのではなく、誰でも作ることができるという”デザイン”を提供することになる。これまでものづくりをしたことがない人達にその楽しさを知ってもらうきっかけになり得るし、財布を持っていない人達に革財布の良さを知ってもらうきっかけにもなり得ると考える。