床革と革ハギレを材としコバの特徴を生かしデザインした。積層接着した革のコバを成形し磨き、モノトーングラデーション×プライウッドの様な質感を表現。立体成型したシェルに超小型マグネットを独自に加工し外装の留め具を廃すことで「石ころ」の様に掌に優しく収まる一体感のあるシンプルなフォルムを実現した。日常で身につけるアイテムゆえ、より愛着が増すように革の持つ手触りの良さだけではなく、閉じ心地・音にも拘った。
《素材を無駄なく使う》を作成のコンセプトとし、1mm程度のレース状に細切りした革を積層接着しコバを生かす手法を考えた。異なる鞣し・厚みの革を合わせ磨くことで、銀面の革では作成不可能な独特の美しい模様・質感を表現する事ができたと思う。プライウッドではこの造形は難しいだろう。革の種類を変えることで色調も多様に変化し、様々なバリエーションが可能となる。床革・革ハギレでも磨けば光る。是非見て触って欲しい!