この鞄は害獣として駆除された蝦夷鹿の革を使用して作ってます。古より野生動物は食肉や衣類等として生活の為に使われてきました。この鞄はその基本に立ち帰り、「鹿一頭を身に纏う」をテーマに荷物をあまり持たなくなった現代に「鞄を持つ」のでは無く「鞄を身に纒う」事をコンセプトに着る事によりファッションのメインになる鞄としてデザインしました。蝦夷鹿革の肉厚な柔らかさを活かすため素材の切り返し等せず鹿一頭分のサイズを余すところなく使かっています。背中を包み込むデザインはアイヌ民族やマタギが狩に着用した毛皮などを鞄として捉え、街の中での最低限の機能を組み込んだギアとしてデザインしてます。
SDGSと良く耳にする今、新しい生産ラインを作り新しい素材を作り出す事よりも使わなければいけない素材を使う事の方がよりサスティナブルであると考えてます。毎年野生鳥獣による被害が増え続け自治体により駆除されてます、しかしその数に対して皮革としての利用は数%に満たない数字です。話題の新しい素材を使うより、少しでもこれらの革が市場に出回る様デザインし作り出す事も鞄屋として出来るサスティナブルと考えます。