チョウザメの革はゴツゴツした鱗と薄くても強さのあるところが特徴です。今回使用したものは革幅が最大5cm程なので革幅限界まで使い作品にしました。
デザインはチョウザメが水中で力強く泳ぐ様子をイメージ。曲線と穴飾りを用い、穴飾りの下にはエナメルの黒革を使用しキャビアを表しました。
外側に配置した革は軟骨と鱗を取り除かず鞣し段階で漂白した革。内側も同様の鞣しで漂白はせず革本来の色を残した革となっています。棒市には軟骨と鱗を取り除き黒く染色した革を配置しました。
それぞれ革の雰囲気が違い、見る角度によって靴の印象が変わるので靴全体にチョウザメの革を配置するより1つ1つの革の良さが際立つ作品になります。
私の住む茨城県では限られた地域資源を有効活用してチョウザメを養殖してます。
例えば廃校になったプールを養殖場に転用したり、特殊な濾過槽を使用することで飼育水を大幅に節水したりしています。
このような環境の下で飼育される養殖チョウザメですが、食用処理されたチョウザメの皮の大量廃棄が現在問題となっております。
まだ未開拓なチョウザメの革を靴に活用すると環境への負荷が軽減され地域環境保護にも繋がります。