「千色革籠(せんいろかわかご)」は様々な色や質感の国産革を編み込んだ籠バッグです。歴史ある国産革の加工技術の豊かさ、革素材のもつ多彩な魅力をかたちにしました。
芯材を一緒に編み込んであるため、編み目が均質に整うとともに、経年で型崩れしにくい独自の製法です。
イントレチャートや石畳編み等の従来の皮革工芸の編み方と比較して、必要な革の分量が少ないため、材料コストを抑え、なおかつ軽量に仕上げることができます。
厚物ミシンや漉き機等の、特殊で高価な機械を使わずに製作することができるため、新たな革のハンドメイド技法としての展開も可能です。革製の籠バッグは季節を問わず、一年を通して楽しむことができます。
このバッグには、私が革製品を製作した際に生まれた、さまざまな端切れ革が使われています。
天然素材である革は不定形のため、製作過程でどうしても端切れが生まれてしまいますが、小さな革もテープ状に裁断し継ぎ合わせることで、新たな創作の素材となります。
日本の伝統織物である「裂織」のように、さまざまな色や質感の革が奏でるハーモニーは唯一無二。
サステイナブルな温故知新のものづくりです。