今回製作する上で掲げたテーマは「地産地消」と「天然成分での染色」
使用した革は「飛騨牛」、厚みとハリがあり輸入に頼りがちな牛原皮の国内生産化の可能性を感じました。内装の高強度な「美濃和紙」は地元中津川の「柿渋」で染色を施し、年数に応じて深い色合いへと変化が楽しめます。
そして本体の染色に使用したのは「柿渋」と「鉄」
柿渋の成分を鉄と反応させ、金属のような重厚感やムラ感を表現しました。
古くから継承されてきた鞄職人の技術は、職人の減少と共に失われつつあります。名古屋の鞄職人の師匠から継承された技術と、地元岐阜県の素晴らしさが少しでも多くの人に伝わってほしいという思いで作製しました。
コロナウィルスの影響により革の供給に狂いが生じ、職人さんやメーカーさんが頭を抱えている、というのを耳にします。また昨今の値上げラッシュによりコストが上昇、製造する上では厳しい時代へと変化しつつあります。国内の素材を使えば輸送コスト削減、海外の経済状況の影響も受けにくく比較的安定した素材の供給が可能です。今こそ国産の物に目を向け、一人一人が持続可能な材料の選定をしていく事が必要であると考えています。