MUSUBUは3つのものを結んでいます。一つは第一次産業から第三次産業、一つはカスタマーと生産者、一つは伝統とサステナビリティです。
カスタマーと生産者を結ぶにあたって僕が目指したプロダクトのストーリーは『顔の見える革』です。
狩猟(一次)・加工(二次)・販売(三次)を一人でこなし、六次産業化する事で3つの産業、そしてカスタマーと生産者を結んでいます。
また、日本文化にとってシンボリックな和装の装飾を有害駆除で殆ど活用されていないニホンジカの革、さらに製作過程に発生するハギレを使用する事で伝統とサステナビリティを結ぶことをも表現しました。
3つの点で持続可能性にアプローチしています。鹿革を使用し、環境負荷の少ないラセッテーなめしで仕上げ、ハギレを使用している事です。
国内での鹿の肉としての利活用は1割にも満たず、革の活用率はさらに低い水準です。レザーのカシミアと呼ばれる鹿革の魅力を広く知らしめる事により、市場での鹿革の価値や需要を上げたい。引いては狩猟業界全体でのニホンジカの利活用率を向上させたいと思い制作した作品です。