鯨革の復活。
令和になり日本が商業捕鯨の再開へ舵を切った時、私の中で長年眠っていた鯨革復活への想いが再び灯りました。
鯨といえば長崎。
鯨業界と皮革業界の縁を再び結べたのは、私が長崎に生まれ育った職人であったからかもしれません。
各々の業界の職人たちの技と知恵、そして情熱と志によって復活を果たした鯨革。
現代の技術でかつて存在したものよりも更に上質となり、未だ進化は続いております。
そんな鯨革で長財布を作りました。
時が移ろい姿を消しつつある長財布ですが、現代でもレコードを愛用する方がいるように、長財布はレザーを深く味わうための要素を秘めています。
永年耐用への工夫を感じつつご堪能下さい。
関連企業の協力を得て、素材である鯨革の再製造から着手しました。
かつてはほぼ100%活用されていた鯨ですが、現代では食文化の変化や退縮した関連工芸や文化の影響により、廃棄せざるをえない部位が出ています。
そうした部位のみを活用し、鞣しにおいてもできるだけ環境負荷を考慮した上で、更に上質なエキゾチックレザーとして復活を果たしました。
皮革業界の技術と叡智は、日本が世界に誇る鯨文化を支えています。