革鞄趣味で制作していますが、制作費抑える目的と初心者ゆえの練習兼ねて安価で入手容易な床革を使って鞄本体や持ち手等の部品作る中、様々な表情に変化する床革の可能性に魅せられ、鞄とは全く異る作品試作に挑戦。パリの骨董市で目にした遠い記憶の中の車の置物。手作り感溢れる外観ながらその存在感溢れるフォルムに思わず目を惹かれた記憶を再現すべく、ヌメ床革で車体、黒床革で車輪、金属部品含め全て手持鞄材料だけで行う創作作業は同じ革加工でも鞄縫製と全く異る作業でとても楽しい経験でした。作品は処女作として十分満足でき、新たな課題や次作のアイデアも有り、この先もヌメ床革使ったレーシングカーに嵌りそうです。
本来革製品の括りでは主原材料として使用される事稀なヌメ床革は趣味の物造りでも練習素材的な扱いで、時には廃棄される素材と聞きますが、今回重ね合わせて接着し立体の木片の様な形状からの加工を行ってみてそれまで気付かなかった新たな魅力が見えた気がしました。見た目以上の重量からくるその存在感と仕上げ加工による表面変化ゆえ所謂実用品ではない、趣味のインテリアアイテムに十分変身出来る可能性秘めた素材と実感。